受験勉強を優先し

高校生活最後の年、初めての三年生となった僕は、他のクラスメートと同様に大学受験という一大行事に参加する機会を得ることが出来た牛奶敏感
復学当初、大学受験のことなど全く考えていなかった。それよりも、高校を無事に卒業できるかどうかの方が正直心配だった。けれど、高校二年生の冬頃になり、周囲が受験ムードになると、自分も受験生であることを意識するようになった優纖美容
復学後の成績は自分が恐れていたほど悪くはなかった。同級生よりも一年間長く学生をしているお陰なのか、それとも、遅れている分を取り戻そうと自分なりに四苦八苦しながら頑張ったのが功を奏したのか、いずれにせよ成績を理由にした留年の心配は回避できて良かった 針灸

復学前もそうだったが、復学後の勉強も決して楽ではなかった。引き篭もっていたために授業を聞かずに習っていない部分が多くあり、教科書の一章全体が初めて知る内容だったりした時は自分でも驚いたりした。授業で教えている部分とは違う箇所を自宅や授業中の合間に読むのは大変だったけど、教科書を何度も繰り返し読んでいたことが幸いしたのかもしれない。書店で読んだ色々な勉強法に騙されることを繰り返していたけれど、結局は父が学生時代に実践していた方法が僕には合っていたようだ。母と同じく母子家庭だった父は、決して裕福ではなかったため、参考書も買えず、合格する学力がありながら行きたい大学も行けなかった。誰かに教わらずとも、父が大事に取っていたボロボロの英和辞典が僕には最良の教科書だった。
教師も僕の勉強の遅れを心配してくれ、生物の山上先生は、僕が授業を聞いていない部分をいつでも教わりに来て構わないと言ってくれたが、自分が学校に行かなかった責任だから、その気持ちだけを有り難く頂くことにした。他にも同じようなことを言ってくれる先生がいてくれて、とても励まされた。

自分が休んでいた間に他の同級生が頑張り続けていたことで生まれた差を少しでも早く埋めるためには、人並み以上に頑張るしかなかった。確かに眠い時や不安な時もあったけれど、途中で放り出すことなく机の上の教科書や問題集に向き合った。失った時間は取り戻せないけれど、時間を掛けることで追いつくことは出来た。中学2年の夏まで真面目に勉強していた貯金が少しは役に立ったことが幸いだった。たとえどんなに小さくても、地道に続けていた努力は自分でも思わぬ形で時として優しく微笑みかけてくれることが分かった。
一部の同級生のように大学受験を前にすると受験勉強を優先したい気持ちが起こるのは心理的に理解できるし仕方のないことだと思うが、僕には自分の中で決めていたルールがあった。少なからず僕の存在は同級生に悪影響を与え教師にも迷惑を掛けたという罪悪感と、僕を支えてくれた学校に対する感謝の思いから、いくら眠くても先生に失礼に当たらないように授業は受験科目かどうかに関わらずきちんと聞くことを心掛けた。ごくごく当たり前のことで自己満足の勝手なルールだったが、結果として、授業を集中して聞いたことは受験勉強においても大いに役立ったと思う。高校三年生の夏になると、予備校の講習を受講する者もいたが、何だか学校を裏切っているように感じられた。だから、僕はあくまで学校の授業と教科書を勉強の中心に据え、予備校の夏期講習の類は受講しなった。
二年生の終わりには学業成績が優秀だということで特待生に初めて選ばれることになり、楯と副賞の図書券をもらえた。少しは学費の足しになったかと思う。